インド占星術の歩み

西洋占星術とインド占星術

インド占星術を歴史的に、ざっくりと二つに分けるとしたら、西洋の影響を受ける前と、そして受けた後に分けることが出来ます。

大昔のインドには動物の様子や、自然現象から未来を予測する前兆占いや、夢から読み解く夢占いがありました。手相、顔相、全身も占いの対象となっていました。

(余談ですが、日本でも、亀の甲羅を火であぶりヒビで占い方法があります。これは今でも日本の皇室で行われているそうです。
斎田点定の儀:元号が平成から令和へ代わった2019年、天皇が即位の礼の後、初めて行う収穫祭(新嘗祭)で行われた占い。神々に供える米を育てる「悠紀」地方と「主基」地方を、亀甲を用いた占い「亀卜」で決める儀式。関係記事はこちら

インドでは王様の傍に仕える占星術師が、暦を作り、吉凶を占い、大切な宗教上のイベント日を決めていました。月の位置を27宿に分けて読み解く、ナクシャトラ(星宿)占いも生まれました。

紀元1~3世紀頃、西洋から、12星座や、惑星を使ったホロスコープ占星術が、インドに伝わりました。
占いが伝統的に根付き、月を中心とした暦や、ナクシャトラ占いを通して、独自の数学、天文学が既に発達していたインドにとって、西洋から来た理論的な占星術、数学、天文学は大変興味をひかれるものでした。以前、インドの方に、「インド人は議論が大好き」と伺ったことがありますが、それも関係しているような気がします。


インド占星術は、中国へ渡り、そして、弘法大師空海が、密教占星術、宿曜道として日本へ伝えました。
日本という島国に住んで、いつも日本語だけに触れていると、地球上の国々の多種多様な文化や、時代によって移り変わる経済活動の中心が、わかりにくいですが、西洋と東洋の間にあるインドは、地中海とインド洋を結ぶ貿易風や、東へ領土拡大を目指したローマ帝国の存在などからも、良い意味だけでなく色々な意味でいつも刺激を受けている、地政学的にも興味深い位置にあるなあと、しみじみ思います。
もしかしたら、インドの方の利発そうな大きな目は、そういう文化から育まれているのでは?と思ったりします。

歴史的に様々な占いがミックスされて、オリジナルとして発達し、身近なものとして今も社会に存在しているのは面白いです。ただ、インドの方々みんながみんな、占いを信じているわけではないようです。










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